全世界の悩める皆さん こんばんわ

僕が鮮烈なブログデビューを果たしてから そろそろ一か月近くになるのですが…意外なことに講談社とかNHKから大河ドラマとか朝ドラの原作にしてくれろ…といった依頼がまだ来ないようです。不思議ですね。でも 考えてみれば、まだ恋愛小説を一つも書いていないので当然とも言えるのでしょうか…

そのようなわけで あなたのために 今から唐突に恋愛小説を書きます。
何も考えていないのですが、公立の郷土資料館で偶然 若き吸血鬼美少女と若き真面目な学徒が出会い 恋に落ちる…という恋愛ドラマの定番でゆきたいと思います。

 郷土資料館ラブストーリー・純白の愛は突然に

「やあ 山田君 こんなところで偶然出会うなんて不思議だね。何をやっているんだね?」

と その黒いマントを羽織った美少女は唐突に僕に語り掛けてきました。僕の名前は山田ハジメ 現在大学2年生で文学部所属の若き学徒です。

「何をやっているって…むろん この入場料無料の郷土資料館に於いて これから学習をするために来たのです」


「北野天満宮?」


「いえ、来た、と言ったのです。ところでどうして僕の名前を知っているのですか?」


「さあ なぜだろう…それは私にも分からないよ。何しろ物語は始まったばかりだし、作者は眠くもなっている、色んなことを端折りたいのだろうね」


「なるほど、省エネなんですね。しかしそんな覚悟でNHKの朝ドラや大河ドラマの原作に我々はなれるのでしょうか?」

「むろんなれるとも。で、山田君、話を進めるが…私は謎めいた美少女だ。自分で言うのもなんだが、私は美しい上に何だか謎めいている」


「なぞなぞクイズが好きなんですか?」

「いや、それは嫌いだ。難しいことは苦手だしね。そもそも吸血鬼はなぞなぞなんてしない」

「ああ、そうだったのですか。それは知らなかった」

「で、山田君 私のことが好きかね?」

「え?急に…初対面でそんなことを言われても…でも言われてみれば なんだか松子さんが好きなような気がしてきました」

「そうか 良い傾向だ。何事にも傾向と対策というものがある。且つて大学受験の参考書に 傾向と対策シリーズというものがあったが まだあるのだろうか?」

「ケイコとマナブ とかいう雑誌もありませんでしたっけ?」

「うん、あったな。あれはカルチャースクールの紹介雑誌?リクルートかLIXILが出しているんじゃなかった?」

「いえ、僕知りません」

「なるほどね…それでまあ 私は美少女吸血鬼の松子だ。如何にも日本的な人名だが、れっきとしたトランシルヴァニア出身の正当な吸血鬼の家系である」

「確かにヨーロッパの顔ですね。ちっとも日本人らしくありません」

「ああ。…だが、納豆やみそ汁は好きだぜ。日本家屋に住み、今の季節はよしず張りをして風鈴を鳴らすのだ」

「松子さん」


「うん?いきなり告白?」


「僕はもう眠くなりましたので 今宵はここまでにしとうございます」

「そうか ではまたな」

つづく